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雑学・上級

時計修理:ヒゲゼンマイ状態確認と歩度調整について

雑学・上級

歩度調整は時計修理の中でも非常に繊細で重要な作業です。ヒゲゼンマイの調整が狂うと時計の精度が大きく影響されるため、慎重かつ正確に行う必要があります。以下に、ヒゲゼンマイ状態確認と歩度調整について説明します。

ヒゲゼンマイの状態確認

ヒゲゼンマイが平らに広がっているか確認します。歪んでいる場合や傾いている場合は、調整が必要です。ヒゲゼンマイが均一に広がっているか確認します。隣接する巻きの間隔が均等でないと、精度に問題が出ます。

偏心の確認

ヒゲゼンマイがガンギ車に対して均等に力を伝えるためには、ゼンマイの巻き間隔が中心から偏らないようにする必要があります。時計を手に取って、ヒゲゼンマイの中心(内側の端)が正しく取り付けられているか、軸からずれていないか確認します。

ヒゲゼンマイの平面性の確認

ヒゲゼンマイは平らな状態である必要があります。層が上下にずれていたり、波打っていたりすると、修正が必要です。ピンセットで慎重に修正しますが、ヒゲゼンマイは非常に繊細なので、力をかけすぎないように注意します。

巻き間隔調整

巻き間隔が均一でない場合、ピンセットを使って慎重に調整します。内側から外側にかけて、巻き間隔が徐々に広がっていることが理想的です。巻きの一部が他に接触している場合、それが誤差の原因になるので、これも修正します。

ヒゲ持ちの調整

ヒゲ持ちは、ヒゲゼンマイの最内巻き部分をバランスホイール(テン輪)に固定するための重要なパーツです。ヒゲ持ちの役割は、ヒゲゼンマイが正しくバランスホイールの中心で動作するように位置を固定し、時計の振動が均等に伝わるようにすることです。このため、ヒゲ持ちの位置や角度が正しくないと、時計の精度に大きな影響を与えます。

緩急針(ヒゲ棒)との調整

緩急針(ヒゲ棒)は、ヒゲゼンマイの動きを制御して時計の精度を調整する部品です。緩急針は2本の棒(ヒゲ棒)で構成されており、その間をヒゲゼンマイが通ります。ヒゲゼンマイがこの棒のどの位置を通るかによって、時計の精度が変わります。

両アオリ(内外)
ヒゲゼンマイが2本のヒゲ棒の両方(内外)に触れる状態です。これはバランスが取れた状態で、時計の精度に最も良い影響を与えるため、修理時に基本的にこの「両アオリ」に調整します。


片アオリ(内)
ヒゲゼンマイが内側のヒゲ棒に触れる状態です。これは「片アオリ(内)」と呼ばれ、この状態になると時計の精度に影響が出ます。


片アオリ(外)
ヒゲゼンマイが外側のヒゲ棒に触れる状態です。これを「片アオリ(外)」と呼び、こちらも時計の精度に影響を与えます。

緩急針を調整することでヒゲゼンマイの長さを変え、ヒゲゼンマイが短くなると時間が早く進み、長くすると遅く進みます。これにより時間の遅れ・進みを調整します。

調整後の動作確認

調整後は、振り角と等時性を確認します。テスト機器を使用して、時計の振動数や誤差を測定します。もし誤差が大きい場合、再度微調整が必要です。


注意点
ピンセットやヒゲゼンマイ調整ツールは常に清潔で、静電気や油分がない状態で使用することが重要です。
過度な力をかけるとヒゲゼンマイが永久的に変形する恐れがあるので、少しずつ慎重に調整を行います。
ヒゲゼンマイの調整は、経験が必要な作業ですが、慎重に取り組むことで時計の精度を大きく改善できます。

※振り角や片振りについてはこちらの記事をご覧下さい

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