振り角と片振りは、時計のバランスホイール(テンプ)の動作に関する重要な概念ですが、異なる側面を示しています。以下でそれぞれの違いを詳しく説明します。
振り角
振り角は、バランスホイールが一方向にどれだけ振れるかを表す角度のことです。具体的には、バランスホイールがゼロ点(静止状態)から左右にどれだけ回転するかを測定します。通常、振り角は度数(度)で表され、適切な振り角は時計の精度や等時性に影響を与えます。
理想的な振り角は一般的に250~320度(※片道。往復ではない)とされています。この範囲内にある場合、時計のゼンマイや駆動系が正常に機能していると判断できます。
振り角が低い(250度以下)場合は、ゼンマイが十分に巻かれていないか、潤滑状態が悪い可能性があります。
振り角が高い(320度以上)場合は、ゼンマイが強すぎたり、緩急針が狭すぎて衝突が起こる可能性があり、調整が必要です。
片振り
片振りは、バランスホイールが左右に均等に振れていない状態を指します。通常、バランスホイールは左右対称に振動しなければならないのですが、片方の方向に振れが大きく、もう一方に振れが小さい場合があり、これを片振りと言います。片振りがあると、時計の精度が不安定になり、進みや遅れが発生する可能性があります。
片振りは、ビートエラー(Beat Error)として数値で表されることが多く、これはバランスホイールが片方に振れる時間と反対方向に振れる時間の差を示します。一般的に0.0~0.2が良好な数値とされてます。ビートエラーが大きい場合、バランスホイールの振動が均等でないことを意味し、調整が必要です。
振り角と片振り違い
振り角は、バランスホイールがどの程度の角度で振れているかを表すもので、時計全体の振動量に関係します。振り角が適切でないと、時計の動作が不安定になり、精度に影響が出ます。
片振りは、バランスホイールが左右に均等に振れていない状態を指し、時計が正確に時を刻まなくなる原因となります。片振りが発生すると、バランスホイールの振動が片方に偏り、時計の進みや遅れが生じます。
片振りのビートエラーの原因
片振りの原因としては:
ヒゲ持ちが正しい角度で取り付けられていない場合、片振りが発生しやすくなります。
緩急針の間にヒゲゼンマイが正しく通っていないと、片振りが発生することがあります。
強い衝撃や振動が時計に加わった場合、バランスホイールの位置がずれて片振りが生じることがあります。
拘束角について
拘束角はアンクルが左右に動く角度のことで、一般的なスイスレバー式では、52度前後となってます。
~まとめ~
振り角はバランスホイールの振動幅を示し、時計の駆動系が正常に機能しているかを判断するための指標です。
片振りはバランスホイールが左右に均等に振れていない状態であり、時計の精度や動作に悪影響を与えます。
振り角を測定して理想的な範囲に保つことと、片振りがないように調整することは、時計の精度を保つ上で重要な作業です。


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