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雑学・中級

腕時計:機械式ムーブメントの仕組みについて

雑学・中級

芸術的な美しいムーブメントを見る度にどのような仕組みで動いているのか気になりませんか?ムーブメント内の部品一つ一つには役割があり一つでも欠けたら時計として機能しなくなります。今回は機械式ムーブメントの仕組みについてご説明させて頂きます。

はじめに

機械式腕時計は、数世紀にわたって進化してきた精密工学の傑作です。電池や電子部品を使用せず、ゼンマイの力で動く時計は、技術的な美しさと耐久性を兼ね備えています。今回は、機械式腕時計の基本的な構造と、その各要素の機能について記述致します。

機械式腕時計の基本構造

機械式腕時計は大きく以下の部品で構成されています。

動力源(ゼンマイ)

輪列(歯車機構)

脱進機

振動機構(テンプ)

調速機構

針駆動機構

それぞれの部品がどのように連携して時を刻むかを解説します。

図1

図1は以下より引用
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動力源(ゼンマイ)

機械式腕時計の動力源はゼンマイと呼ばれる金属製の帯状のバネです。ゼンマイは巻き上げられると弾性エネルギーを蓄え、それが解放されることで時計全体に動力が供給されます。ゼンマイの設計には、耐久性と安定したエネルギー供給が求められます。ゼンマイが緩やかに解けていくことで、均一な力が輪列に伝わり、時間の正確な進行が保証されます。

輪列(歯車機構)

ゼンマイのエネルギーは、いくつかの歯車からなる輪列を通じて針に伝達されます。時計の歯車は非常に精密に作られており、わずかな誤差が時間の進行に大きな影響を与えます。以下に主な歯車の役割を示します。

1番車(香箱車): ゼンマイからの動力を受け取る最初の歯車。

2番車(分車): 時計の中心を回り、分針を直接駆動する。

3番車: 2番車と4番車を接続し、エネルギーを伝達する役割を担う。

4番車(秒車): 秒針を駆動する歯車で、秒針が回転する速さを制御する。

ガンギ車: 脱進機と接続し、エネルギーの供給を調整する。

時計ムーブメントにおいて、歯車の歯数や相互のギア比が精密に設計されていることが、正確な時間表示の要となります。

脱進機

脱進機は、ゼンマイから解放されるエネルギーを一定の間隔で調整する重要な装置です。ガンギ車がテンプの動きに応じて一定のタイミングで動力を供給し、時計の動作を制御します。これにより、歯車がスムーズに回転し、時間が正確に刻まれます。

脱進機には以下の種類があります。

レバー式脱進機: 最も一般的な脱進機で、エネルギー効率が高く、耐久性に優れています。

クロノメーター式脱進機: 高精度を必要とする時計に使用され、特に海上航行などの用途で活躍しました。

振動機構(テンプ)

振動機構は、機械式腕時計の心臓部ともいえるパーツです。テンプと呼ばれる振り子のようなパーツが、一定の周期で往復運動を行い、時計の時間を刻む精度を決定します。テンプはヒゲゼンマイと連携して動作し、振動の周期を調整します。

テンプの振動数は、1時間に18,000~36,000振動(振動数 = ビート数)であることが多く、高い振動数のものほど精度が向上しますが、その分消耗も激しくなります。

調速機構

テンプと脱進機は、連携して時計の速度を調整する役割を果たします。これにより、歯車が均等な速度で回転し、正確な時間表示が可能になります。高精度の時計では、テンプと脱進機の精密な調整が行われ、さらに温度補正や衝撃に対する耐性が求められます。

針駆動機構

針駆動機構は、輪列を介して分針や秒針を駆動します。針の動きは、時計内部の歯車の動きに従って精密に制御され、時、分、秒を正確に表示します。

機械式時計のバリエーション

機械式腕時計には、手巻き式と自動巻き式の2種類が存在します。

手巻き式
手動でゼンマイを巻き上げることで動作します。愛好家に人気があり、巻き上げの手間が時計との一体感を感じさせます。
リューズ&巻芯 → キチ車 → 丸穴車 → 角穴車 → 香箱内ゼンマイ
構造については図2をご覧ください。

図2

自動巻き式
腕の動きによりローターが回転し、ゼンマイを巻き上げる仕組みです。定期的に着用していれば、ゼンマイを手動で巻く必要がありません。
ローター→ 切り替え車 → 一番巻き上げ車 → 二番巻き上げ車 → 角穴車 → 香箱内ゼンマイ
構造については図3をご覧ください。

図3

図2.3は以下より引用
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精度と耐久性の向上

機械式腕時計の精度は、調整されたムーブメントの品質と設計によって左右されます。近年の時計技術では、耐震装置や合金製のテンプ、シリコン素材のパーツなどが使用され、精度と耐久性が飛躍的に向上しています。

結論

機械式腕時計は、数百年にわたる技術革新の結晶であり、単なる時間を測る道具を超えた精密な工芸品です。その複雑な内部構造は、時計技術者の高度な知識と技術によって支えられています。ゼンマイから始まり、脱進機やテンプを通じて歯車にエネルギーを伝える一連の動作は、まさに精密機械の象徴です。今後も時計技術の発展とともに、さらに革新的な機構や素材が登場し、機械式腕時計の魅力が広がることが期待されます。

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