お客様からのお問い合わせで「ネット上で、『自動巻きはリューズで巻き上げない方がいい』と書かれている事が多いのですが、どうなんでしょうか?」というご質問が多数御座いましたので、今回はその点について触れたいと思います。
自動巻きをリューズで巻き上げる
一般的なパワーリザーブ(駆動時間)は40時間~50時間と言われております。約40時間前後着用されていない場合、リューズでゆっくりゼンマイを巻き上げて(30回~40回)下さい。例えば金曜日の午後7時に時計を外した場合、40時間後は日曜日午前11時です。毎日着用されている場合、巻き上げの必要は御座いませんが40時間以上着用されていなければ巻き上げが必要です。ただし、時計によってパワーリザーブ時間は違いますのでお手持ちの時計のスペックをご確認の上、残10時間を切っているようなら30回~40回巻き上げて頂ければと思います。
また、手で巻き上げることによる部品の消耗を気にされる方もおられますが、最近は部品素材の耐久性も良くなっており、トルクの掛かる手巻き機構部分には部品の消耗を軽減させるため、粘度の高い油を使用しておりますので定期的にメンテナンスされている時計であれば問題御座いません。
リューズでの巻き上げがベスト
ネット上には「最初は数回リューズで巻き上げて針が動き始めたら、時計本体を軽く振ってローターで巻き上げてください」といった情報も見られますが、これには注意が必要です。振って巻き上げる場合、パワーリザーブ表示がないモデルではゼンマイの巻き上がり状態が把握しづらいため、巻きが不十分になりがちです。その結果、トルク(歯車を回転させる力)が低下し、精度(テンプの振動)にも悪影響を与える可能性があります。
ゼンマイのトルク曲線に関する資料によると、パワーリザーブが100%の状態からトルクは時間の経過とともに徐々に低下し、精度も落ちていきます。さらにパワーリザーブが20%を下回ると、トルクは急激に低下する傾向があります。また、時計を振って巻き上げる場合、力加減やコツも必要とされるため、やはりリューズでの巻き上げが最も確実です。
~まとめ~
リューズで巻き上げることで時計の精度が安定するのはもちろん、巻き上げ機構の油も隅々まで行き渡り、ムーブメント自体の寿命も延びる効果が期待できます。


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