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雑学・特級

機械式時計:①輪列機構部の各歯数及び伝達比(調速脱進機構)

雑学・特級

機械式腕時計における輪列の構造は、ムーブメントの精度や動作に直結する非常に重要な要素です。輪列は、主ゼンマイから生じる力をテンプ(振動する調速機構)に伝え、最終的に針を動かす役割を持っています。ここでは輪列の基本構造について記述致します。

輪列の構成

機械式時計の基本的な輪列は、以下のような構造になっています。

1番車(香箱車)
香箱内には動力源のゼンマイが入っており、そのゼンマイが解ける力を利用して2番車のカナへと力を伝達します。

2番車
2番車は香箱の動力を3番車のカナに伝えます。2番車は1周を60分かけて回りますので分針が付きます。

3車
3番車は2番車の動力を4番車のカナに伝えます。

4車
4番車は3番車の動力をガンギ車のカナに伝えます。4番車は1周を60秒かけて回りますので秒針が付きます。

ガンギ車
ガンギ車は4番車の動力をアンクルに伝えます。

ガンギ車の動力をアンクル介してテンプに伝えます。

時針について

時針は以下の流れとなっております。

2番車の軸に取り付けられたツツカナを介して、日ノ裏車に動力が伝わります。
日ノ裏車から、時針が取り付けられているツツ車(12時間で1回転)に伝達されます。

歯数の伝達比(ガンギ車=脱進機構)

輪列における歯数は、動力がテンプまで効率よく伝達されるように設計されます。各歯車の歯数は、伝達比を計算するために重要です。伝達比を設定するには、次の式が使われます。

駆動車÷被駆動車=伝達比


たとえば、第1車が72枚の歯を持ち、第2車のカナが12枚の歯を持つ場合、伝達比は 72 ÷ 12 = 6 となり、第2車は第1車の6倍速く回転することになります。


これにより、最終的にテンプに適した速度で動力が伝わります。

テンプと振動数(調速機構)

テンプの振動数は、時計の精度に直結します。一例でテンプの振動数は以下のような基準があります。

18,000振動/時(5振動/秒)

21,600振動/時(6振動/秒)

28,800振動/時(8振動/秒)


輪列は、テンプの振動数に対応するように設計され、振動の1周期ごとにガンギ車がテンプに伝わる力を規則正しく制御する必要があります。例えば、18,000振動/時の時計の場合、1秒間に5振動(=2.5Hz)でガンギ車は2.5歯進みます。

ガンギ車の歯数やそれに連なる歯車の配置を適切に設定することで、主ゼンマイのエネルギーがテンプに効率よく伝わり、テンプの振動数に応じた精度が確保されます。

歯数と精度への影響

歯車の歯数は、摩擦や動力損失を最小限に抑えるために最適化されています。歯数が多いほど滑らかな動作が期待できますが、反面、製造コストや複雑性が増します。一方で、歯数が少ないと動作が粗くなるため、精度が低下する可能性があります。

そのため、各歯車の歯数は以下の要素を考慮して決定されます。

振動数に対する最適な伝達比

エネルギー効率と摩擦のバランス

耐久性と設計の複雑さ


~まとめ~
輪列の設計では、歯数のバランスとテンプの振動数を意識して、動力が正確に伝達されるように計算されています。

※上記の伝達比はあくまでも理論上の数値です。

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